Ontology & Onchain & NEO
GOAL
Onchain & NEO & ONTologyの関係が理解できている
NEO ONTologyの詳細な技術仕様などは別途記事にてまとめたいと思います。
本記事は全体感を掴むことを目指しています。
全体像
Onchain概要
Onchainの歴史、経歴
NEO概要
ONTology概要
https://gyazo.com/865179d04a7e09bcb1faaabe62ae79b9
動機
最近NEOやONTologyなどEthereum以外のブロックチェーンに注目が集まっていたため、気になり調査
Onchain 概要
https://gyazo.com/30ba1b1c69de2ad287cdef21f0044c0a
Onchainとは、2014年に上海で創業されたブロックチェーン技術の研究開発会社。(北京にもサテライトオフィスがある)
中国だとマイニングの印象がすごく強いが、ソフトウェア(ブロックチェーン技術)の文脈ではOnchainは結構有名。
Onchainの創業者は3人いる
Da Hongfei Zhang
Jun Li
Wentao Yang
Onchainは"ブロックチェーン技術の研究開発会社"である通り、ソフトウェア開発者を多く抱えている。彼らは、民間企業や政府と組み既存の業務課題をブロックチェーン技術を用いて解決できないかを模索するPoC(Proof of Concept)などを行うビジネスを行っている。
パートナー企業や組織にはMicrosoft ChinaやLinux FoundationのHyperLedger、中国政府、そして日本の豊橋市などがいる
また、Fosunという中国では大きめの証券会社から出資を受けている。この出資についてはCEOであるDa(ダー)のインタビュー記事などがネットに上がっている。Daさん曰く、Fosunに出資を受けた理由は、Fosunが証券以外に様々な事業領域(金融、医学、娯楽、ライフスタイル)にで事業を行っており、各事業領域の特徴や課題把握している企業であるため、自分達が研究開発するブロックチェーン技術を事業領域に展開する際に良いパートナーとなってくれる存在であったから投資を受けた。と話している。サービスのアイディアとして保険支払いの自動化(Smart Contract)などをが可能性として考えている。
Onchainはこれまで、Antshares, NEO, DNA(Distributed Network Architecture), ONTology とプロジェクトの立ち上げを行ってきている。恐らくだが、現在(2018/09)注力しているのがONTology。でDNAは2017年から開発が止まっている
技術的なトピックでいくと、2016年4月にコンセンサスアルゴリズムの1種であるDBFT(delegate Byzantin Fault Torerance)のWhitepaperを公開している
イメージ的にいくとOnchainはEnterprise Ethereum Associationの様な存在
OnchainとNEOの歴史と背景
Onchainは先にも述べた通り、2014年に上海で創業されたブロックチェーン技術の研究開発会社である。2014年というとまだ、Ethereumのwhitepaperが出たか出てないかぐらい(Ethereumのメインネットリリースは2015年7月末日)の時でかなり早期にブロックチェーン技術に特化した会社を設立している。この会社設立の背景と経緯、これまでの歴史を知っておくとNEOやONTologyの関係性や、Onchainという会社がどういった存在なのかがわかるので紹介していく。
まず、Onchainの前身であるAntsharesの開発チームは2014年頃からブロックチェーン技術の研究開発をスタートさせた。この時開発していたブロックチェーンはAntsharesと呼ばれ、このAntsharesが後にリブランディングによってNEOに生まれ変わっていく。
当時、Ethereumの生まれていなかった時期にスマートコントラクトを実行できるブロックチェーンとして開発が進められていたAntsharesだったが、研究開発を進めていくうちに、様々な民間企業(主にB2Bの事業を行う会社)から注目、関心を持ってもらえた。民間企業が注目していたのは既存の事業、業務課題をブロックチェーン技術を用いることによる課題解決できるのではないかという可能性に惹かれていたからだ。注目は徐々に高まって行き、多くの民間企業からPoC?を一緒にやることを求められていた。この流れでAntsharesの開発チームは民間企業と取り組み始めたが、取り組みを進めていくうちに、彼らは既存のAntsharesを導入ではなく、B2Bに特化したエンタープライズ向けに焦点を当てたブロックチェーン技術の開発が必要であると気づいた。なぜなら、Antsharesはパブリックブロックチェーンであり、既存のB2B企業の事業領域の課題は多種多様であり、それら全てに対応するのは難しいからだ。この気づきによりOnchainという会社を設立して、エンタープライズ向けのブロックチェーン開発を行う会社を設立した。これがOnchain設立までの流れ。
なので、Onchainはもともと独立したブロックチェーン技術の研究開発企業を目指して設立された(起業した)企業ではなく、研究開発として取り組んでいたAntsharesプロジェクトの延長で設立された企業である。といえる。
会社設立までの流れを整理すると
Antsharesというスマートコントラクトを実行可能なパブリックブロックチェーンの研究開発がスタート(Antsharesは後のNEOとなる)
研究開発を進める中で、民間企業から注目を浴びるようになる。注目を浴びた要因はブロックチェーン技術による既存の業務改善が期待されていたから
B2B企業のブロックチェーン技術の導入支援の要求が高まったことで、Antsharesのチームは導入コンサルを始める
始めたものの、Antsharsとは別でエンタープライズ向けのブロックチェーンサービスに焦点を当てた独立した取り組みを行っていく必要を感じ、会社を設立。
Onchain設立
会社設立後
会社設立後はパブリックブロックチェーンであるAntsharesの開発とエンタープライズ向けブロックチェーンのDNAの開発を進めてきた。最近だとONTologyの開発も行っている。また、設立後に様々な民間企業、政府とパートナーを組んでPoCなどにも取り組んできた。このPoCが主な収益源。
開発が続けられたAntsharesは2017年8月にICOを実施します。また、その後リブランディングを行い、プロジェクト名をNEOに変えました。これらは全てオープンソースで開発されています。NEO自体はリブランディングの効果か有名でよく知られていますが、前身であるAntshares自体はその固有名詞自体あまり知られていないのではないのかなと思います。
NEOとOnchainの関係性はどういったものなのか?という疑問はよくネットなどで見かけるのですが、これに対してOnchainのCEOであるDaさんはインタビューで説明していました。
NEOはAntsharesというパブリックブロックチェーンの研究開発から生まれたスマートコントラクトを実行するプラットフォームです。NEOプロジェクトとOnchain社の関わり方(関係性)でいくと、NEOは元々Antsharesというプロジェクトであり、このプロジェクトは現在Ochainに在籍しているエンジニアが研究開発を進めてきたものです。Onchainに在籍している主要なエンジニアが開発してきたものであるが、現時点(2017年11月)ではOnchainとNEOは所有関係にはないです。所有関係がないとはつまり、OnchainはNEOを所有していないし、NEOはOnchainを所有していない。これは互いに資本関係があるわけでもないということです。
NEOに携わるエンジニアがOnchainに在籍しているものの、NEOは完全なオープンソースのパブリックブロックチェーンであり、コミュニティが所有しているものであると私たち(Onchain)は考えています。Onchain社はそのコミュニティをサポートしている立ち位置にある。現時点(2017年11月)でOnchainが注力しているのはNEOの設計からインスパイアされて作られたプライベート、コンソーシアムチェーンであるDNAです。
つまり、NEOとOnchainは資本的な所有関係などがないサポート関係であり、NEOは完全にコミュニティによって運営されているものであるということ。Onchainはサポートしているものの、注力しているのはDNAの方であるということ
NEO (旧: antshares)
https://gyazo.com/f69a96204947bbead586ad632cc87a23
https://gyazo.com/f596e71d709f49f6608d6aefda05d811
NEOは上記でも紹介しているAntsharesというプロジェクトをリブランディングしたもの
ICOを実施している
2017年8月8日~9月7日, 6119.53 BTC / 450万ドル
スマートコントラクトの基盤を目指したプロジェクト
最近はゲームに特化していくという話
プロジェクトのターゲット市場は主にB2C(Cはコミュニティ)
ネットワークに流通するネイティブトークンが2つ存在する (デュアルトークンモデル)
NEO
ネットワークを維持する(コンセンサスアルゴリズムで使用する)ためのガバナンストークン
ICOで配布された
NEO Gas
エンティティの中では端的にGASと呼ばれている。コントラクト実行時の手数料支払いやネットワーク内でのペイメントトークン的な立ち位置にいるトークン。NEOトークン保有者に新たにMintされる仕組みで新たなトークンが発行される
NEOトークンは1億NEOがあり、5000万NEOが販売され、残りの5000万NEOはFoundationが管理
NEOはVBFTと呼ばれるコンセンサスアルゴリズム(Proof of Stakeの様なもの)で動いている。
2016年4月に出されたDBFT(Delegate Byzantine Fault Torerance)から進化したのかな?(未確認)
参考
DNA (Distributed Network Architecture)
NEOのアーキテクチャを参考にGo言語で実装されたプライベート・コンソーシアム型のブロックチェーン
NEOエコシステムの1つという立ち位置
Onchainに所属するエンジニアが開発を進めている
DNAは民間企業や政府などが抱えるあらゆる課題に対処できる様に作られた汎用的なブロックチェーン。NEOのコンソーシアムバージョンで、NEOのアーキテクチャを参考にして作られており、スマートコントラクトの実行環境などが備わっている(らしい 未確認)
B2Bや政府などに導入する向けのブロックチェーンとして作られている
将来的にDNAはNEOx(クロスチェーンプロトコル)を用いてNEOチェーンを経由して様々なチェーンが繋がる(パブリックチェーンとプライベート・コンソーシアムチェーンが相互運用する)世界を実現することを目指している(夢)
Githubにあるリポジトリは昨年からコミットが止まっている
参考
Ontology
https://gyazo.com/e27499ca90db66985184873811323766
2017年11月に立ち上がった(世に初めて公開された)プロジェクト
Ontologyはプロジェクト名、Ontologyプロジェクトが作っているのがトラストネットワーク
Onchain / Ontology / NEOは全く別の会社/組織として存在している(混在して考えられる場合が多いが、全く別のエンティティ)
ONTologyはパブリックブロックチェーンプロジェクトではあるが、単一のブロックチェーンを提供するものではなく、ブロックチェーンのネットワークを構築することを目指しており、独自のエンタープライズプラットフォームを妥協することなくブロックチェーンのモデルに行こうすることを支援する様に設計されている。と彼らは言っている。
ONTologyのブロックチェーンネットワークは、既存システム(エンタープライズチェーン)とNEOブロックチェーン(パブリックブロックチェーン)の間の橋渡し(相互運用)をすることができる
2018年6月末にメインネットがローンチされており、現在(2018年9月)も問題なく動いている模様。また、トークンのトランスファーも10月1日まで行われており、8月末時点で98%が移行を完了している。
ONTologyネットワークに存在するONTトークンは2018年3月1日にNEOのネットワークでAirdropされた。なので、ONTologyはICOなどは実施していない。Airdropされたというのは、NEO上で作ったONTトークンのトークンコントラクト(NEP-5に準拠)でNEOのアカウントを持つユーザのアドレスにMintしていたという背景がある。このNEOネットワーク上に存在する、存在していたトークンをONTologyのメインネットリリース後にトランスレートした・しているというのが今の状況
ONTologyには先でONTトークンが存在すると述べたが、ONTトークンの他にONGトークンも存在する。このONGトークンはNEOでいうNEO Gasと同じもので、ONTologyはNEOと同じデュアルトークンモデルを採用している。用途もほぼ一緒である(ガバナンス/支払いなどに利用)という認識
ONTトークンホルダーがネットワークの決定(コンセンサスの担保)などに貢献した場合にONGがMintされ付与される仕組み
ONGトークンは22年間かけて生成されていき、1年目で16% / 4年目には52% / 12年目には80%と徐々に生成されていく。使用済みのONGはONTトークンホルダーに再配布される
Ontologyはユーザーの信用課題の解決を目指している
ONTologyを様々な企業が導入することで導入企業のサービスを利用したユーザーのデータがネットワーク内で共有され、その信用データを活用してより良いサービスを作ろうというのが彼らの夢(雑)
開発者がトラストネットワークの仕組みを意識せずとも利用できるような状況を作りあげることを目指しているとも言っており、開発の容易性をアピールしている
公式サイト、Github、ブロッチェーンエクスプローラー、開発ドキュメントなどはもちろん公開されており、確認することができる
参考
ONTology Global Capital
https://gyazo.com/1a41e29577bfd414de38821be25d0df3
2018年6月にONTology Global Capital (OGC)が設立されている。パートナーはSelina Xu 氏
Selina Xu氏はもともとDanhua Capitalのパートナーで、2008年からベンチャーキャピタルを行っており、ブロックチェーン技術領域での豊富な投資経験を持っている。
OGCはブロックチェーン技術領域に比重を大きく置いて投資していくとのこと
まとめ
Onchainは研究開発の延長で設立されたブロックチェーン技術会社
NEOはOnchainの開発チームが開発したAntsharesをリブランディングして生まれたもの
ONTologyはNEOの設計を参考にしたエンタープライズ向けのトラストネットワークを構築するブロックチェーンプロジェクト
次回
ONTologyの技術系の仕組みを中心に紹介
技術仕様 コンセンサスアルゴリズム系
参考
勉強会中のコメントメモ@9/10
peroyuki.icon < onchain何人くらい居るんだろ
Ontology のconsensus node、AWSのデータセンターMAPしてる疑惑